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コラム

2021.09.26

建設業

コンプライアンス

建設工事の技術者制度の概要

 建設工事には、設計者、工事監理者、元請・下請けの施工業者など多くの関係者がかかわり、建設業法や建築士法その他の法律でさまざまな規制がかけられています。その中でも特に技術者制度は、職種に必要な資格(知識・技術・技能)や役割(職責)など非常に細かく複雑な内容となっています。
 建設業者には、建設工事を適正に実施するため、適正な技術者を配置しその職務を誠実に遂行させる義務が課されています。これを怠ると監督処分の対象となるので、制度の理解は重要です。

1.建築工事の体制

 設計・施工分離発注方式の場合、技術者の配置は以下のとおりです。
(設計・施工一括発注方式の場合も技術者の配置は同じです。)

契約関係について

建築主(発注者)は、建築士法で、設計と工事監理について、建築士事務所(一級、二級及び木造)と書面により建築設計・監理等業務委託契約を締結することが義務付けられています。(300㎡を超える新築の建築物に限る。)なお、設計や工事監理の業務は建築士の独占業務です。
 さらに、施工についても、建設業法で、建設業者と書面により工事請負契約を締結することが義務付けられています。工事請負契約は、工事の規模や金額の大小に関係なく書面による契約が必要です。(注文書と請書の相互交付でも可。ただし、建設業法上の法定記載事項を漏れなく記載する必要があります。)

2.技術者の区分と役割

 技術者の区分と役割は以下のとおりです。現場代理人以外は全て有資格者を配置します。

  • 営業所(本店、営業所等)に置く専任技術者
    専任技術者の主な業務は、発注者から工事を受注する際に、設計者が作成した設計図書を精査し、積算見積書工事内訳書を作成し、工事の請負金額や請負契約の内容を決定し、請負契約書を適正に締結することです。専任技術者は、本店・支店などの営業所に常勤するのが原則(例外あり)で、元請・下請けを問わず工事現場において現場代理人や主任(監理)技術者として従事することはできません。
  • 現場代理人
    現場代理人は、工事現場における総括責任者として、工事現場の取締りや工事の施工、 契約関係事務に関する一切の事項を処理するものとして工事現場に置かれる受注者の代理人です。主任(監理)技術者を兼ねることもできます。なお、工事現場における注文者の代理人監督員と呼ばれます。
    現場代理人や監督員を設置する場合は、当該代理人の権限に関する事項などを書面により相手方に通知しなければなりません。
  • 主任技術者
    主任技術者は、工事が開始されると工事現場に常駐し、日々現場で工事関係者と打合せをしながら、工事の品質管理・安全管理・原価管理・工程管理などの施工管理業務に従事します。主任技術者の配置は、元請・下請けを問わず原則として必須です。元請の場合は、現場専任の技術者を配置しなければならない場合があります。現場専任、非専任の区分は請負金額⋆¹により取扱いが異なります。
    なお、主任技術者は、後述の監理技術者とともに配置技術者と呼ばれることもあります。
    ⋆¹ 建築一式工事の場合は請負金額が7000万円以上、それ以外は3500円以上の場合に現場専任の主任技術者又は監理技術者を現場に専任させる必要があります。
  • 監理技術者
    現場に配置する技術者は主任技術者が原則ですが、発注者から直接工事を請負った特定建設業者が4000万円(建築一式工事の場合は6000万円)以上の工事を下請けに出す場合は、主任技術者に代えて監理技術者を置かなければなりません。監理技術者の仕事は主任技術者と同じく施工管理業務に従事しますが、さらにそのうえで請負った工事全体の総合的な企画、指導等の業務をすることになります。
  • 専門技術者
    工事が土木一式工事や建築一式工事である場合で、その一式工事を構成する専門工事を自ら施工する場合は、一式工事の技術者とは別に、その専門工事について専門技術者を置く必要があります。(専門技術者に必要な資格は主任技術者と同じ。)
    付帯工事⋆²を自ら施工する場合も同様に専門技術者が必要です。
    主任技術者や監理技術者がその専門工事に係る資格を有している場合は、専門技術者を兼務することができます。
    ⋆² 付帯工事とは、主たる工事(ex.屋根工事)を施工するために生じた他の従たる建設工事(ex.足場工事)をいいます。

3.下請負人の主任技術者の設置が免除される特定専門工事について

 下記の特定専門工事の元請負人が1年以上の指導監督的な実務経験を持つ主任技術者専任で配置する場合には、下請負人は主任技術者の配置を免除されます。(この場合、注文者(元請人)と請負人との間で国土交通省令で定める事項を記載した書面による合意が必要です。)主任技術者を置かない下請負人はさらなる下請契約(再下請)をすることができません。

  • 特定専門工事
    下請代金の合計額が3,500 万円未満となる次の建設工事
    (監理技術者の配置が求められる工事の元請人には、この規定は適用されません。)

    大工工事又はとび・土工・コンクリート工事のうち、コンクリートの打設に用いる型枠工事 鉄筋工事 

 

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