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コラム

2021.10.17

建設業

経審/入札参加

公共工事を受注するには?

 元請として公共工事受注するには建設業の許可だけでは足りず、経営事項審査(経審)を受審し、さらに入札参加資格の登録を行なう必要があります。その手続きは非常に煩雑なうえ点数アップのためのさまざまな努力や工夫が必要になります。そのうえ同業者間の競争入札に勝ち残らなければ工事を一件も受注することができません。
 公共工事の受注に高いハードルが設けられている理由は、公共工事に国民の税金が使われているからです。税金の無駄使い、工事途中の受注業者の倒産、技術力や経験不足による施工不良などは絶対に許されません。
 だからと言って、公共工事には取組む価値がないという事にはなりません。建設業者にとって、公共工事の受注に向けた取組みは、自社の経営を見直し経営体質を強化する取組みに直結します。さらに、公共工事を受注することで下請け専門業者から脱却し、民間工事以外のもう一本の柱が立つことになります。公共工事に取組む価値は大いにありそうです。

1.公共工事を受注するメリット

 冒頭述べたとおり、公共工事を受注するためには多くの労力が必要になります。これが、公共工事のデメリットです。一方、公共工事には、民間工事にはないメリットが幾つかあります。

  • 不況時も安定した受注量を期待できる。
  • 元請業者として工事ができる。
  • 工事代金の貸し倒れがない。(前受金を収受できる場合もある。)
  • 公共工事の施工実績が、民間施工主や金融機関の信用につながる。
  • 大規模工事や自社が得意な工事を受注できるチャンスが得られる。

2.経審から入札参加までの手続き

 経審から入札参加までの手続きは、3月末が決算期の建設業者の場合、概ね下記の流れで進めます。(なお、地域により制度の運用が異なるので、実際の申請にあたっては、自社の許可行政庁等に確認をしてください。)

  1. 決算確定・税務申告(5月末)
    法人税や消費税の申告及び納期限は5月末日(決算期から2か月以内)なので、それまでに会社の決算書を作成し税金を納めます。
  2. 事業年度終了報告(決算変更届)(6月)
    建設業者には、経審を受審しない場合でも、決算期から4ヶ月以内に事業年度終了報告(決算変更届)を毎年作成し、許可行政庁に提出することが義務付けられています。このときに提出する書類は、工事経歴書、財務諸表(建設業法所定のもの)、納税証明書などです。
  3. 経営状況分析申請(6月)
    直前3期分(同じ分析機関に連続して提出している場合は1期分のみ)の財務諸表(建設業法所定のもの)を登録経営状況分析機関に送付し、経営状況分析を依頼します。※2.の手続きよりも先に行うことも可能です。
  4. 経営状況分析結果通知書の査収(7月)
    分析機関から経営状況分析結果通知書が送られてきたら大切に保管しておきます。ここに記載されているÝ点は、経営事項審査の評価項目の一つです。
  5. 経営事項審査申請・受審(8月)
    経営事項審査は、審査機関(都道府県又は国土交通省)のもとで対面審査が行なわれるのが原則です。そのため、予め予約を取っておく必要があります。(手続きの方法については、審査機関ごとにまちまちなので事前確認が必要です。)
    経営事項審査では、建設業者の経営規模(Ⅹ1,Ⅹ2)技術力(Z)社会性(W)などの評価が行なわれ、総合評定値(P点)が算出されます。
    審査日までに審査資料(経営規模等評価申請書総合評定値請求書、添付書類、収入証紙など)を準備し審査当日に臨みます。
  6. 経営事項結果通知書(9月)
    審査後概ね1か月後に結果通知書(経営規模等調査結果通知書総合評定値通知書)が届きます。なお、結果通知書の有効期限は基準となる決算期から1年7カ月です。従って、このケースの場合は翌年10月末までとなります。
  7. 入札参加資格登録申請(10月~※行政庁により異なります)
    入札に参加するには、入札に参加したい国の機関、国の関係機関、地方公共団体に対して、それぞれ個別に入札参加登録(入札参加資格審査申請)を行なう必要があります。発注機関の多くは、定期的に入札参加資格登録を受付ける期間を設ける方式を採っており、有効期限を2年で定めているケースが一般的です。なお、国の機関の場合、各種機関をインターネットで一括して申請(一元受付)することが可能となっているので利用してみるのも一手です。
  8. 入札参加資格認定通知書の査収・入札手続き(電子入札の登録など)
    登録されたデータに基づき、入札参加資格登録の認定の結果(入札参加資格認定通知書)が届きます。各発注機関は独自の評価基準と経営事項審査の総合評点(P点)とを併用して各事業者を格付けします。格付けによって、受注できる工事の規模に差をつけられることが一般的です。
    通知書が届いたら、いよいよ案件を見つけて入札です。最近は電子入札となっていることが多いので、電子入札の登録(電子認証に必要なICカードの取得など)も済ませておく必要があります。

登録分析機関について

令和3年7月現在で、国土交通省に登録された「経営状況の分析機関」は以下のとおりです。                         ※【 】内は登録番号
【1】(一財)建設業情報管理センター
【2】(株)マネージメント・データ・リサーチ
【4】ワイズ公共データシステム(株)
【5】(株)九州経営情報分析センター
【7】(株)北海道経営情報センター
【8】(株)ネットコア
【9】(株)経営状況分析センター
【10】経営状況分析センター西日本(株)
【11】(株)NKB
【22】(株)建設業経営情報分析センター

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