2021.10.28
建設業
許可
決算変更届について
投稿日 2021年10月28日 最終更新日 2022年9月23日
すべての建設業者(建設業の許可を受けて建設業を営む者)は、決算終了後4ヶ月以内に事業年度終了報告(決算変更届)を毎年作成し、許可行政庁に提出しなければなりません。この決算変更届を怠ると、5年に一度の建設業許可の更新が認めらません。場合によっては、監督処分を受けたり罰則を科されたりするので注意が必要です。
経営事項審査を受ける建設業者の場合は、決算変更届を済ましておくことが一連の手続きの前提となります。決算変更届で提出する工事経歴書や財務諸表の内容・数値が、そのまま経審の審査で用いられることになるからです。
1.決算変更届で注意すべきポイント
決算変更届を提出する際に特に注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 必ず期限内(決算終了後4か月以内)に提出すること
期限内(決算終了後4か月以内)に届出が無かったり複数年度分の決算変更届を同時に提出した場合には、許可行政庁から個別指導を受けることになります。それでもなお改善されない場合は監督処分を受けたり罰則(6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金)を科される場合もあります。 - 財務諸表(損益計算書、貸借対照表他)について
株主総会や税務申告用に作成した財務諸表は、決算変更届ではそのまま使うことができません。建設業法で定められた財務諸表(様式や勘定科目が異なる)に変換する必要があります。 - 工事経歴書の完成工事高について(経審を受けない場合)
工事経歴書は、業種ごとに作成し、直近の決算期にかかわる完成工事について元請・下請けの区分なく請負金額の大きい順に10件※記載します。記載金額については、税抜・税込どちらでも可能です。完成工事に続けて未完成工事を記載します。(※記載件数のルールは提出先の都道府県の手引き等を確認してください。) - 工事経歴書の配置技術者について
各工事の現場に配置した主任技術者又は監理技術者が法令に照らし正しく配置されていたか必ずチェックしてください。監理技術者を配置すべきところに主任技術者が配置されていたり、専任を求められる工事で兼任していた場合などは、建設業法違反になってしまいます。
2.経審を受ける場合に特に注意すべき事項
経審を受ける場合には、特に以下の事項について注意が必要です。
- 決算変更届は、決算終了後3か月以内には済ませておくのが無難
後続の手続き(経営状況分析や経営規模等評価申請)でダメ出し(補正)を受け、もたもたしているうちに総合評定値通知書の有効期限切れとなってしまうような事態は避けたいものです。 - 工事経歴書の完成工事高について
工事経歴書は直近の決算期にかかわる完成工事について業種ごとに記載します。
まずは元請工事を請負金額の大きい順に元請工事請負金額全体の70%に達するまで記載します。
続けて、残りの元請工事と下請け工事を請負金額の大きい順に請負工事金額全体の70%に達するまで記載します。
ただし、建設業許可を必要としない規模の工事が、元請工事全体の70%と請負工事全体の70%のところで記載された工事を含めて合計10件に達した場合は、11件目以降の記載は必要ありません。なお、記載金額は税抜きで記載することになっています。未完成工事がある場合は、続けて記載してください。
3.決算変更届で提出する書類(大阪府の場合)
法人 | 個人 | 様式番号 | 書類の名称 |
〇 | 〇 | 決算変更届の表紙 | |
〇 | 〇 | 府規則様式第3号 | 変更届出書 |
〇 | 〇 | 省令様式第2号 | 工事経歴書 |
〇 | 〇 | 省令様式第3号 | 直前3年の各事業年度における工事施工金額 |
△ | △ | 省令様式第4号 | 使用人数 (変更があった場合に届出) |
△ | △ | 省令様式7号の3 | 健康保険等の加入状況 ※従業員数のみの変更があった場合。それ以外は変更届 |
△ | △ | 省令様式第11号 | 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表 (変更があった場合に届出) |
△ | ー | ー | 定款の写し(変更があった場合に届出) |
〇 | ー | 省令様式第15号 | 貸借対照表(法人用) |
〇 | ー | 省令様式第16号 | 損益計算書、完成工事原価報告書(法人用) |
〇 | ー | 省令様式第17号 | 株主資本等変動計算書 |
〇 | ー | 省令様式第17号の2 | 注記表 |
〇 | ー | 省令様式第17号の3 | 附属明細表 (株式会社で、資本金の額が1億円超であるもの又は直前決算の貸借対照表の負債の合計額が200億円以上である場合に提出が必要) |
〇 | ー | ー | 法人事業税納税証明書 |
〇 | ー | サンプル例示 | 事業報告書(株式会社のみ添付) |
ー | 〇 | 省令様式第18号 | 貸借対照表(個人用) |
ー | 〇 | 省令様式第19号 | 損益計算書(個人用) |
ー | 〇 | ー | 個人事業税に関するもの (納税証明書に代えて所得税の確定申告書のうち税務署の受付印のある第一表の写しを添付) |