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コラム

2022.01.20

建設業

コンプライアンス

施工体制台帳と施工体系図について 

 特定建設業者は、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請代金の総額が4,000万円(建築ー式工事の場合は6,000 万円)以上となる揚合には、施工体制台帳を作成し、適切な現場管理を行わなければなりません。(公共工事の場合は、下請け契約の金額にかかわらず、すべての工事が施工体制台帳作成の対象になります。)
 また、施工体制台帳を作成する工事の下請負人は、その工事をさらに再下請負した場合、再下請負通知書を作成して、発注者から直接工事を請負った元請業者に提出しなければなりません。
 さらに、施工体制台帳を作成する工事については、施工体系図を現場内の見やすい場所に掲示しなければなりません。(公共工事の場合は、公衆の見やすい場所にも掲示が必要です。)

1.施工体制台帳とは

  施工体制台帳は、下請・孫請など工事施工を請け負う全ての業者名、各業者の施工範囲、各業者の技術者氏名等を記載した台帳のことをいいます。
 発注者から直接工事を請け負った特定建設業者(以下「作成建設業者」といいます。)は、施工体制台帳の作成を通じて、現場の施工体制を的確に把握することで、以下を防止しなければなりません。

  1. 品質・エ程・安全などの施工上のトラブルの発生
  2. 不良・不適格業者の参入、建設業法違反(一括下請負等)
  3. 生産効率低下の原因にもなる安易な重層下請

 なお、建設工事の請負契約に該当しない資材納入や調査業務、運搬業務等にかかわる下請負人等については、建設業法上は記載の必要はありません。

2.施工体制台帳の記載内容と添付書類

施工体制台帳に記載する内容は、以下のとおりです。

施工体制台帳の記載内容

〈元請人に関する事項〉〈下請負人に関する事項〉
建設業許可(全ての許可業種)施工に必要な建設業許可
建設工事の名称・内容・工期下請け契約した工事の名称・内容・工期
発注者との契約内容(契約締結年月日等)下請け契約の契約締結年月日
社会保険等の加入状況社会保険等の加入状況
配置技術者の氏名・資格内容・専任か否か主任技術者の氏名・資格内容・専任か否か
外国人技能実習生等の従事の状況外国人技能時修正等の従事の状況
現場代理人、監督員の氏名等

施工体制台帳の添付書類

〈元請の場合〉
発注者との請負契約書(写し)
下請負人との請負契約書(写し)
配置技術者関係
•主任技術者が資格を有することを証する書面(実務の経験を証する使用者の証明書、技術検定合格証明書など)
•監理技術者が監理技術者資格を有することを証する書類
•監理技術者補佐を置くときは、監理技術者補佐資格を有する ことを証する書類
•配置技術者が所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることを証明するものの写し(健康保険証等、又は監理技術者資格者証の写し)
•専門技術者(置いた場合に限る)の資格及び雇用関係を証する書面(上記同様)
作業員名簿

〈下請の場合〉
下請契約書(一次下請以下の全ての請負契約書の写し)
②再下請負通知書
作業員名簿


「施工体制台帳」「再下請負通知書」「作業員名簿」「施工体系図」などの書式は任意ですが、必要事項に漏れがないよう注意してください。因みに、国土交通省HPには参考書式が掲載されています。 令和2年10月1日以降に契約する建設工事において使用する作成例

施工体制台帳は、公共工事の場合は、その写しを発注者に提出する必要があります。民間工事の場合は、提出は不要ですが、発注者から請求があった場合は、施工体制台帳を閲覧に供しなければなりません。

なお、施工体制台帳は、工事が完成し引渡し完了後5年間保存する必要があります。

3.再下請負通知書について

  • 発注者から直接工事を請け負った元請負業者(作成建設業者)の役割
    ・一次下請負人に対し、施工体制台帳作成対象工事である旨の通知
    ・工事現場の見やすい場所に「施工体制台帳作成工事」である旨が記載された書面の掲示
    ・再下請負通知書を添付又は下請負人から提出された再下請負通知書若しくは自ら把握した情報に基づき記載する方法により、施工体制台帳及び施工体系図を整備
  • 一次下請負人の役割(二次下請負契約を締結した場合)
    ・作成建設業者に対し、再下請負通知書を提出
    ・二次下請負人に施工体制台帳作成工事である旨の通知
  • 二次下請負人の役割(三次下請負契約を締結した場合)
    ・作成建設業者に対し、再下請負通知書を提出(一次下請負人経由可)
    ・三次下請負人に施工体制台帳作成工事である旨の通知
      ※三次下請負人以下についても同様

再下請負通知書の記載内容

〈再下請負する下請負人に関する事項〉〈再下請負人に関する事項〉
建設業許可番号施工に必要な建設業許可業種
元請負人と契約した工事内容下請負契約した工事内容
社会保険等の加入状況社会保険等の加入状況
配置技術者の氏名と資格内容配置技術者の氏名と資格内容
外国人技能実習生等の従事の状況外国人技能実習生等の従事の状況
監督員の氏名


再下請負通知書の書式も任意ですが、必要事項に漏れがないよう注意をしてください。

4.施工体系図について

 施工体系図は、作成された施施工体制台帳に基づいて、各下請負人の施工分担関係が一目でわかるようにした図のことです。施工体系図を見ることによって工事に携わる関係者全員が工事における施工分担関係を把握することができます。

さいたま市建設局技術管理課「施工体制台帳等の記載ガイドライン令和3年3月」より引用

5.その他掲示が必要な標識について

標識掲示場所
施工体系図工事関係者が見やすい場所(公共工事の場合は公衆の見やすい場所にも掲示)
建設業の許可証公衆の見やすい場所
解体工事業者登録票公衆の見やすい場所
建退共制度適用事業主の現場標識現場事務所や工事現場の出入口など見やすい場所
労災保険関係成立票事業場の見やすい場所
施工体制台帳作成建設工事に関する現場掲示工事現場の見やすい場所
道路占用許可表示板専用物件(場所)の見やすい場所
作業主任者作業場の見やすい場所
緊急時連絡票事務所、詰所等の見やすい場所
産業廃棄物保管場所の掲示保管施設の出入口等、見やすい場所
安全管理組織図安全衛生推進者を選任している場合は、作業場の見やすい場所
石綿除去等工事及び事前調査結果の掲示工事関係者が見やすい場所及び公衆の見やすい場所

行政書士法人名南経営「建設業法のツボとコツがゼッタイにわかる本」秀和システムより引用

  

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