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コラム

2023.06.07

建設業

経審/入札参加

公共工事の入札・契約方式について

 

 公共工事は、不特定多数の参加者を募って行う一般競争入札が原則とされていますが、価格以外の要素(工期、機能、安全性、社会的損失の回避、地元企業の受注機会の確保など)も重要であり、一定の制限のもとで多様な入札・契約方式又はその組合せが認められています。そのため、発注機関によって入札・契約の方式が様々であり、非常に分かりにくいものとなっています。ここでは、公共工事の入札・契約制度の原則を踏まえたうえで、どのような方式があるのかを見ていきます。(契約の方式については設計施工分離方式、設計施工一括方式などがありますが、ここでは割愛します。)

1.公共工事の入札・契約制度の原則

 国や特殊法人等においては会計法で、地方公共団体においては地方自治法で、公共工事の入札・契約制度の基本的な枠組みが以下のとおり規定されています。

  • 競争参加者の設定方法~競争入札

 契約の性質等に応じ、一般競争入札指名競争入札随意契約によることとされています。(国や特殊法人等においては、一般競争入札が原則とされています。)

また、競争参加資格については、必要に応じ発注者が定めることができるとされています。

  • 予定価格制度(上限拘束性)

 予定価格の制限の範囲で入札した者でなけれ ば、契約の相手方となることはできません(総合評価を行った場合でも同様)。

国や特殊法人等においては、予定価格を秘匿して入札を行うこととされています。

予定価格については、国で14団体(73.7%)、特殊法人等で112団体(94.2%)が全案件で事後公表。都道府県では17団体(36.2%)、指定都市では6団体(30.0%)、市区町村では648団体(37.7%)が全案件で事後公表となっています(令和4年度国交省調べ)。

  • 落札者の選定方法~最低価格自動落札

 最高(財産を売払う場合)又は最低(財産を調達する場合)の価格で入札した者を契約の相手方としなければなりません。ただし、総合評価制度低入札価格調査制度最低制限価格制度(地方公共団体のみ)を採用した場合には例外的に最低の価格をもって申込みをした者以外のものを落札者とすることができます。

落札者となるべき価格の入札が複数あるときは、くじで落札者を決定します。

2.入札・契約の方式について

  • 一般競争入札

 公告によって不特定多数の者を誘引し、入札により競争を行わせ、そのうち最も有利な条件で落札した者を選定し契約を締結する方式。一般競争入札には、政府調達協定(WTO協定、都道府県、指定都市及び中核市で22.8億以上の工事が対象)、発注者が定めた基準をクリアした者だけが参加できる制限付一般競争入札地域限定型一般競争入札などがあります。(大規模~中規模工事で採用されることが多い)

  • 指名競争入札

 資力、信用その他について適切と認める特定多数を通知によって指名し、その参加者をして入札の方法によって競争させ、契約の相手方を決定し契約を締結する方式です。指名競争入札には、競争参加資格者のうち、競争参加者を発注者の定める指名基準により指名する通常指名競争入札、公募による審査を通過した者を指名する公募型指名競争入札があります。(小規模工事で採用されることが多い)

  • 随意契約

 地方公共団体が競争の方法によらないで、任意に特定の者を選定してその者と契約を締結する方法(緊急時や小規模工事で採用されることが多い)

  • 最低価格自動落札原則の例外

総合評価制度:契約の性質等に応じ、価格その他の条件が最も有利な者と契約することができる制度です。なお、国にあっては、あらかじめ財務大臣と協議を行っておく必要があります。

低入札価格調査制度:契約の相手方となるべき者の入札価格が一定水準以下の価格(調査基準価格)である場合には、適切な履行が可能かどうか調査(低入調査又は特別重点調査)を行います。調査の結果に応じ、次順位者と契約することができる制度です。

最低制限価格制度:地方公共団体においては、必要に応じ最低制限価格を設定することができます。(地方公共団体のみ) 

※余談ですが、国土交通省のほとんどの直轄工事は、一般競争入札・総合評価落札方式を採用しているようです。

3.入札から契約までの流れ

 入札から契約に至る事務の主な手順は以下のとおりです。

(入札に参加するには、事前に、発注機関(国や特殊法人等、地方公共団体)に対し入札参加資格申請をしておく必要があります。)

  • 【一般競争入札】

 入札の公告(予定価格の決定)→企業評価(業者が申請書及び資料を提出→競争参加資格の確認)→通知→入札(→総合評価・VE、最低制限価格、低入札調査)→落札→契約(履行保証・前払保証)

  • 【指名競争入札】

 ①掲示等(公募・工事希望)→企業評価(技術審査→指名基準→指名業者の選定)→指名通知→入札(→総合評価・VE、最低制限価格、低入札調査)→落札→契約(履行保証・前払保証)

 ②通常指名→企業評価(指名基準→指名業者の選定)→指名通知→入札(→総合評価・VE、最低制限価格、低入札調査)→落札→契約(履行保証・前払保証)

入札参加資格申請や入札・契約手続きは、当事務所にご相談ください!

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