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コラム

2024.04.23

建設業

事業領域拡大

建設業者が使える補助金~小規模事業者持続化補助金

 働き方改革や被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げ、インボイス導入など、近年の相次ぐ制度変更により、小規模な建設業者をとりまく経営環境はますます厳しくなっています。小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者がこれらの制度変更に対応するために創設された制度です。持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓や、それと併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組みに対しその経費の一部について補助を受けることができます。販路開拓のための経費であれば比較的幅広く認められ、補助率は2/3、補助上限50万円(通常枠、特別枠で最大250万円)となっています。申請すれば必ず採択されるというわけではありませんが(採択率50〜60%)、補助金の中では比較的取り組みやすい点が魅力です。

1.小規模事業者持続化補助金の概要

補助金の対象者

 下記に該当する法人や個人事業主が対象です。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数 5人以下
宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他(建設業はココです)常時使用する従業員の数 20人以下

 また、以下の全ての要件を満たす事業者が補助対象者になり得ます。 

① 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ) 

② 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていない こと 

③商工会・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること。(会員、非会員を問わず、応募可能)

補助率・補助上限額

 通常枠、特別枠のいずれか一つの枠のみ申請可能です。

申請類型補助率補助上限インボイス特例
通常枠2/350万円50万円上乗せ
特別枠
・賃金引上げ枠
・卒業枠
・後継者支援枠
・創業枠
2/3(※1200万円50万円上乗せ

※1)賃金引上げ枠の場合、赤字事業者については3/4

 

【申請類型一覧】

類型概要
通常枠小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援。 
賃金引上げ枠販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上である小規模事業者 ※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げ。
卒業枠販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
後継者支援枠販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリス ト又は準ファイナリストに選ばれた小規模事業者
創業枠産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」による支援を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して 過去3か年の間である、販路開拓に取り組む小規模事業者

補助対象となる経費

 下記の経費が対象になりますが、補助事業の趣旨目的に合致しない場合など内容によっては対象にならない場合があります。

補助対象経費科目活用事例
①機械装置等費補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等
②広報費新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等 
③ウェブサイト関連費 (※2ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費
④展示会等出店費展示会・商談会の出展料等
⑤旅費販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
⑥新商品開発費新商品の試作品開発等に伴う経費
⑦資料購入費補助事業に関連する資料・図書の購入費用等 
⑧借料機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの) 
⑨設備処分費新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等 
⑩委託・外注費店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須)

※2.ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4(最大50万円)が上限となります。ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。

補助対象経費についての注意事項

  • 汎用性が高く目的外使用になりえるもの(車(※3)・オートバイ・自転車・文房具等・パソコン等)は補助対象外  
  • 経費の支払いは原則「銀行振込」。特に10万円を超える支払い(一括、分割問わず)については、現金支払いの場合、補助対象外  
  • 相殺や小切手、商品券等による支払いは補助対象外
  • クレジットカード払い等で、口座から引き落とされた日が、補助事業実施期限を過ぎている支払いについては補助対象外  
  • 100万円(税込)を超える支払いは、2者以上の見積もりが必要。中古品の購入(50万 円(税抜き)未満のもの)については、金額に関わらず、すべて、2者以上からの見積が必須。  
  • オークションによる購入は補助対象外

※3.ブルドーザー、パワーショベル、トラッククレーン、ショベルローダー、ロードローラー、コンクリートポンプ車等は、人又は物の運搬を目的とせず、作業場において作業することを目的とする車両であるため、ここでいう「車」に該当しません。 

2.申請から補助金入金、事業完了報告までの流れ

①申請の準備

 申請は、原則、電子申請システムで、申請者自身が行います。(代理申請は不正アクセスとなるため一切認められず、当該申請は不採択となる上、以後の公募において申請を受け付けてもらえないことがあります。 )

申請には、GビズIDプライムのアカウントが必要です。
  ☞GビズIDプライムのWEBサイト

 電子申請システムへ経営計画書及び補助事業計画書を入力。申請内容を印刷し、希望する枠や加点等に関する書類等を添付の上、地域の商工会又は商工会議所事業支援計画書(様式4)の発行を依頼し、交付を受けます。

【応募時の提出書類(一般枠の場合)】(詳しくは公募要領を参照してください)

項番書類名法人個人
次の内容はシステムに直接入力します(添付不要)
・小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書(様式1)
・経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)※4
・補助事業計画書②(様式3)※5
・補助金交付申請書(様式5)・宣誓・同意書(様式6)
事業支援計画書(様式4)
貸借対照表および損益計算書(直近1期分)[写し] 
株主名簿[写し] ※該当者のみ 
5直近の確定申告書【第一表及び第二表及び収支内訳書(1・2面)又は、第一表及び第二表及び所得税青色申告決算書(1~4面)】(税務署受付印のあるもの)又は開業届(税務署受付印のあるもの)[写し]
インボイス特例を希望する申請者 次のいずれかがある場合は提出。
登録済みの事業者:適格請求書発行事業者の登録通知書[写し]
e-Taxで登録手続中の事業者:登録申請データの「受信通知」

※4.様式2の記載内容;応募者の概要、経営計画(企業概要、顧客ニーズと市場の動向、自社や自社の提供する商品・サービスの強み、経営方針・目標と今後のプラン等)、補助事業計画(補助事業で行う事業名、販路開拓等(生産性向上)の取組内容、補助事業の効果等)

※5.様式3の記載内容;経費の明細、資金調達方法など

②申請内容の審査

 提出された申請書については、外部有識者による審査が行われます。

審査によって、評価の高い案件から順に採択されます。審査のポイントについては、下記のとおりです。

【審査のポイント】

〇自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。
〇経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。 
〇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
〇補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。 
〇補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。 
〇補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。 
〇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。 
〇補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。 
〇事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

 

その他、加点項目を選択することができます。重点政策加点、政策加点からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択可能です。(詳しくは公募要領を参照してください。)

【加点一覧】

重点政策加点赤字賃上げ加点、事業環境変化加点、東日本大震災加点、くるみん・えるぼし加点
政策加点賃上げ加点、パワーアップ加点、経営力向上計画加点、事業承継加点、過疎地域加点、一般事業主行動計画策定加点

③採択・交付決定

 採択結果は、申請受付から2〜3か月後に補助金事務局ホームページで公表のうえ、事業者に対し交付決定通知書が通知されます。

④補助事業の実施、実績報告書の提出

 事業者は、申請時に提出した補助事業計画に沿って事業を実施します。

※交付決定日(交付決定通知書の日付)から補助事業実施期限までに発注、支払いを完了した経費だけが補助対象となります。

 事業者は、補助事業終了後、その日から起算して30日を経過した日又は最終提出期限のいずれか 早い日(必着)までに補助事業の実施内容と経費内容(支出内容)を取りまとめた実績報告書を商工会・商工会議所に郵送します。

⑤確定検査・補助金額の確定

 事務局は、実施報告書のほか、支出ごとの証拠書類(見積書、発注書、契約書、納品書、請求書、領収書、預金通帳の該当部分 の写し等)について、審査・確認を行い、補助金額を確定します。金額確定後、事業者へ補助金確定通知書が送付されます。

⑥補助金の請求・入金

 事業者は、金額を確認して精算払請求(交付規定様式9号)を事務局あてに行います。

請求後数週間後に事業者に補助金が交付(入金)されます。

⑦事業効果報告

 事業者は、補助事業の完了から1年後に事業効果および賃金引上げ等状況報告(交付規程様式 第14号)を文書等で提出しなければなりません。 (事業効果等状況報告期間終了日の翌日から30日以内に報告)

【参考】第16回公募について

 ①公募要領公開(申請受付開始) 2024年5月8日(水)
 ②様式4発行の受付締切り                  5月20日(月)
 ③公募受付締切り                               5月27日(月)
 ④事業実施期間                     10月31日(木)まで

3.建設業者の採択事例

 小規模事業者持続化補助金〈商工会議所地区〉第13回締切分採択者一覧より抜粋

  • 空からのデータ収集による建設業DXに向けたデジタル技術開発
  • 看板からのモデルハウス&HP誘導による新規顧客開拓事業 
  • 施工業者による施工業者のための建設DXソリューション!
  • 木質パネルを使ったモバイルハウスの開発ならびにPR強化 
  • 伐採サービス収益+木材販売開始による収益力強化計画
  • 建設機械導入による生産能力向上および事業拡大
  • 建設業許可取得を契機とした新築住宅分野への進出 
  • 9 LN-150杭ナビとドローン使用し当社の認知度向上を狙う事業
  • バックホウ導入で営業活性化!業務効率化と新たな販路開拓事業 
  • 街の工務店の挑戦!想いと技術の融合による販路拡大計画 
  • 3Dパース作成ソフトの導入による木造リフォームの販路開拓
  • 解体事業分野への販路開拓による建設部門受注向上計画
  • CIM構築システム導入によるCIM生産事業の立ち上げ計画
  • 大型施設向け新規事業参入で、売上・付加価値増加を図る 
  • リフォーム事業拡大を目的とした展示会実施事業 
  • 販路開拓を支える外壁洗浄の新提案で地球温暖化にも貢献! 
  • ツリークライミングを用いた販路拡大・地域の危険樹木問題に貢献
  •  新しい注文住宅サービスのブランディング&SNSによる集客戦略
  • 未来を見据えた危険ブロック塀の改修及び樹木竹林の整備

小規模事業者持続化補助金のサポートは、弊所にお任せください!

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