建設業
指定給水装置工事事業者(指定工事店)の指定申請について
住宅などに上水道を引くには、道路の下の配水管(水道局などが所有)から給水管を分岐させて建物内に配管し、これに直結する給水用具(蛇口やトイレなど)を設置する工事(給水装置工事)が必要です。この給水装置工事で不適正な工事が行われると、漏水事故が引き起こされるばかりでなく、水質の異常など利用者の健康に直結する事態を招きかねません。
そのため、水道法や条例等により、給水装置の工事(設置・変更)を施工しようとする事業者は、水道事業者(市町村の水道局など)から指定給水装置工事事業者(指定工事店)の指定を受ける必要があります。(管工事業や水道施設工事業の建設業許可業者であっても指定を受ける必要があります。)
1.指定給水装置工事事業者制度とは
指定給水装置工事事業者制度とは、水道法により、給水装置の構造および材質が国土交通省令(※1)に定める基準に適合することを確保するため、水道事業者が、その給水区域において給水装置工事(設置又は変更の工事)を適正に施行することができると認められる者を指定する全国一律の制度です。なお、指定の有効期間は5年となっています(要更新)。
なお、指定給水装置工事事業者であっても、給水装置工事を行う場合には、工事をする前に水道事業者に工事の申請(届出)が必要になります。
※1.2024年4月に、厚生労働省所管であった水道の整備・管理行政については、水質又は衛生に関する事務は環境省へ、その他の事務(水道基盤の強化など)は国土交通省へ移管されました。
※2.設置又は変更の工事をいい、これには給水装置の新設・改造・修繕及び撤去の工事のすべてが含まれます。
2.指定の要件
水道事業者は申請者が以下の要件に適合するときは、指定給水装置工事事業者の指定をしなければなりません。
- 事業所ごとに給水装置工事主任技術者(国家資格者)を選任していること
給水装置工事主任技術者とは、給水装置工事主任技術者免状の交付を受けている者で、給水装置工事に関する技術上の管理等の職務を担う者です。職務を行うに当たって支障がない限り他の事業所との兼任も可能です。(水道法施行規則21条3項)
- 国土交通省令で定める機械器具を保有していること
①金切りのこ、その他の管の切断用の機械器具 ②やすり、パイプねじ切り器その他の管の加工用の機械器具 ③トーチランプ、パイプレンチその他の接合用の機械器具 ④水圧テストポンプ |
- 欠格要件に該当しないこと
① | 精神の機能の障害により給水装置工事の事業を適正に行うに当って必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者 |
② | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 |
③ | 水道法に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者 |
④ | 指定を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者 |
⑤ | その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者 |
⑥ | 法人であつて、その役員のうちに①から④までのいずれかに該当する者があるもの |
3.指定給水装置工事事業者の義務
事業を廃止、休止し、若しくは再開したときは、水道事業者への届け出が必要です。また、以下の運営基準に従い、適正な事業の運営に努めなければなりません。
- 選任した主任技術者のうちから、工事毎に主任技術者を指名すること
- 配水管からメータまでの工事に適切に作業を行うことができる技能を有する者を 従事させること
- あらかじめ承認を受けた工法その他の条件に適合するように工事すること
- 主任技術者等への研修の機会を確保するよう努めること
- 基準に適さない材料、工具を使用しないこと
- 主任技術者に工事に関する記録を作成させ、3年間保存すること
4.指定申請に必要な書類の一例(大阪市水道局で新規申請の場合)
●申請書類 「指定給水装置工事事業者指定申請書」 (様式第1号) 「機械器具調書」(様式第2号) 「指定給水装置工事事業者証交付請求書」 (様式第4号) 「給水装置工事主任技術者選任・解任届出書」 (様式第7号) 指定給水装置工事事業者証受領書 |
●添付書類 「誓約書」(様式第3号) 「登記事項証明書」・・法人のみ 「定款」・・法人のみ 「住民票」 ・・個人のみ 「給水装置主任技術者」免状写し、又は 「給水装置工事主任技術者証」の写し |
●指定手数料:5,000円 ●証書交付手数料:500円 |