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コラム

2025.08.01

建設業

コンプライアンス

主任技術者・監理技術者の兼任について

投稿日 2025年8月1日 最終更新日 2025年8月1日

 公共性のある施設や多数の者が利用する施設に関する重要な施設工事(※1)については、工事現場ごとに主任技術者や監理技術者の専任配置が求められていますが、建設業法改正(R6.12.13施行)により、情報通信機器を活用する等の一定の要件に合致し、かつ、請負代金の額が1億円未満(建築一式工事の場合は2億円未満)の場合は、2件の専任工事を兼任することができるようになりました(専任特例1号)(建設業法26条3項1号)。
 これに伴い、従来の特例監理技術者(※2)の制度は、内容はそのままに専任特例2号という呼び方に変わることになりました。(同法26条3項2号)
 さらに、営業所毎に専任で置くことが求められている営業所技術者等(※3)についても、1億円未満(建築一式工事の場合は2億円未満)の工事で、一定の要件に合致する専任工事の場合には、主任技術者等の職務と兼務することが可能となりました。(同法26条の5)

※1.重要な施設工事とは、個人住宅以外のほとんどの工事が該当し、工事1件の請負代金の額が4,500万円(建築一式工事の場合は9,000万円)以上のものとされています。
※2.監理技術者を補佐する者(監理技術者補佐)を専任で配置すれば、特例監理技術者として複数の工事を兼任することが可能、とした。
※3.一般建設業の場合は営業所技術者、特定建設業の場合は特定営業所技術者、これらを合わせて営業所技術者等と呼びます。

1.これまでも認められていた主任技術者・監理技術者の兼任

専任が求められていない工事現場に配置された主任技術者

専任が求められる工事であっても例外的に兼務が認められる場合

密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接(概ね10㎞程度以内)した場所において施工する場合※監理技術者には認められていません。
同一又は別々の発注者が、同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負契約に係る建設工事であって、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められる場合※複数工事に係る下請金額の合計が5,000万円(建築一式工事の場合は9,000万円)以上の場合は、特定建設業の許可と監理技術者が必要です。

営業所の専任技術者との兼任(※平成15年4月21日付国総建第18号)

 営業所の専任技術者は、営業所に常勤し専任でその職務に従事することが求められていますが、以下の①~④全ての要件を満たした場合には、当該現場工事の専任を要しない主任技術者又は監理技術者になることができます。(☆A)

当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること
両方の職務に従事しうる程度に営業所と工事現場が近接していること
当該営業所との間で常時連絡をとりうる体制にあること
所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること

特例管理技術者制度(法改正により専任特例2号に名称変更)

 各工事現場ごとに監理技術者補佐を専任で置くことを要件とし、2件の工事現場を兼任することができます。

2.新たに認められた主任技術者・監理技術者の兼任

専任特例1号による専任義務緩和(R6.12.13施行)

次の要件を全て満たす場合には、兼任が認められます。

項目兼任の要件
①請負金額1億円(建築一式工事の場合は2億円)未満(※4)
②兼任現場数2工事現場以下
③工事現場間の距離1日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内
④下請次数3次まで
⑤連絡員の配置監理技術者等との連絡その他必要な措置を講ずるための者を配置(土木一式工事又は建築一式工事の場合は、当該建設工事の種類に関する実務経験を1年以上有する者)
⑥施工体制を確認する情報通信技術の措置現場作業員の入退場が遠隔から確認できるものとし、CCUS又はCCUSとAPI連携したシステムであることが望ましい
⑦人員の配置を示す計画書の作成、保存等計画書の参考様式を国土交通省HPに掲載☞省令にもとづく人員の配置を示す計画書
⑧現場状況の確認のための情報通信機器の設置遠隔の現場との必要な情報のやりとりを確実に実施できるものであればよい。そのため、左記を満足できれば、一般的なスマートフォンやタブレット端末、WEB会議システムでも差し支えない。

※4.4,500万円(建築一式工事の場合は9,000万円未満)の場合は専任不要

営業所技術者等の専任義務緩和(R6.12.13施行)

(1)営業所技術者等が、専任を要する工事現場の主任技術者等を兼務する場合

この場合の要件は、基本的に、専任特例1号の要件と同じですが、以下の点が異なります。(☆B)

①営業所技術者等が置かれている営業所において請負契約が締結された建設工事であること。
②工事現場の数が1であること
③工事現場までの距離については、 一日の勤務時間内に巡回可能なものであり、かつ、移動時間がおおむね2時間以内であることが必要であるが、営業所技術者等の場合は、工事現場間の距離ではなく、“営業所から当該工事現場”の間の距離
④人員の配置を示す計画書に盛り込むべき内容・営業所技術者等が所属する営業所の名称も記載・当該建設工事に係る契約を締結した営業所の名称も記載
※営業所技術者等は、工事現場の主任技術者又は監理技術者を兼務する場合には、当該請負業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にある必要があります。

(2)営業所に近接していない、専任を要しない工事現場の主任技術者等の兼務

この場合も、専任を要する工事現場の兼任要件を全て満たす場合は認められます。(☆C)

☆A~☆Cの併用はできません。

参考:国交省HP「【建設業法】現場技術者の専任合理化(R6.12.13施行)

     国交省HP「監理技術者制度運用マニュアル

  

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