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コラム

2025.11.05

建設業

経審/入札参加

初めての経審 過去に提出した決算変更届の修正・訂正について

投稿日 2025年11月5日 最終更新日 2025年11月5日

 はじめて経営事項審査を受ける場合に最も気を遣うのは、過去に提出した決算変更届の提出書類を修正しなければならない場合です。経営事項審査を受けるためには、決算変更届の提出書類を税抜き(消費税抜き)で作成する必要がありますが、過去に提出した書類が税込みで作成されていた場合には、これらを税抜きに書き換えて経営事項審査申請書とともに提出しなければなりません。また、これら提出書類の中の「工事経歴書」については、経営事項審査を受けるか否かで記載方法が異なるため、一から作成しなおす必要があります。工事経歴書に記載された上位3件の資料(契約書、注文書、請求書等の写しなど)も準備しなければなりません。
 過去に提出した決算変更届の提出書類の記載内容に誤りがあるため、経営状況分析機関や審査機関から補正を求められたり、正しい評点の結果通知書を受けられない、といった事態が想定される場合があります。そのような場合、大阪府では、「建設業に係る訂正の届出書」という様式により経営事項審査を受ける前に、過去の書類の記載を訂正することが可能です。

1.決算変更届の提出書類は全て税抜金額で

 経営事項審査を受ける場合には、決算変更届の提出書類のうち「工事経歴書」、「直前3年の各事業年度における工事施工金額」、「建設業財務諸表」を消費税(及び地方消費税)に相当する額の会計処理を「税抜き」で作成する必要があります。(ただし、免税事業者については税込みのままで可。)

建設業財務諸表の税込みから税抜きへの修正について

 はじめて経営事項審査を受審する場合で、税込み決算だった場合は、建設業財務諸表を税込みから税抜に修正して申請する必要があります。この場合、貸借対照表は税込みのままとし、損益計算書(完成工事原価報告書を含む)のみ税抜きに修正して申請(※1、※2)します。本来は貸借対照表も税抜に修正するのが正しい方法とされているため、次回以降は、決算書を作成する税理士に税抜き決算をしてもらうよう依頼しておくのが良いと思います。

※1.損益計算書で、支払利息と受取利息は税込みのままとし、消費税の差額分を営業外損益で調整します。

※2.この申請には、経営状況分析機関に対する経営状況分析申請も含みます。直近(審査事業年度)の決算変更届が未提出の場合は、決算変更届を提出する前に、経営状況分析申請を先に済ましておくと、経営状況分析機関による勘定科目仕訳チェックがかかります。そうすることで、変更届出書の提出後に、建設業財務諸表の変更をしなければいけないような状況を回避することができます。

2.経審を受ける場合の工事経歴書の記載ルール

 工事経歴書は、経営事項審査を受けるか否かで記載方法が異なります。経営事項審査を受ける場合は、以下の記載ルールに従って作成します。

元請工事に係る完成工事について、その請負代金の合計額の7割を超えるところまで、請負代金の額の大きい順に記載
注1.500万円(一式1,500万円)未満の工事については10件まで記載
注2.請負代金の合計額の1,000億円超部分は記載不要
①に続けて、①以外の元請工事及び下請け工事に係る完成工事について全ての完成工事高の7割を超えるところまで、請負代金の大きい順に記載
注1.500万円(一式1,500万円)未満の工事については10件まで記載
注2.請負代金の合計額の1,000億円超部分は記載不要
②に続けて、主な未成工事について、請負代金の大きい順に記載

 なお、これらの決算変更届の提出書類の修正は、完成工事高計算基準を2年とした場合(工事種類別の完成工事高を2年平均とした場合)、直近2年分(審査事業年度及び前審査事業年度)について行います。完成工事高計算基準を3年とした場合(工事種類別の完成工事高を3年平均とした場合)は、直近3年分の決算変更届の提出書類の修正が必要になります。

 ただし、完成工事高計算基準を2年とした場合でも、初めて経営事項審査を受ける場合は、経営状況分析機関から3年分の建設業財務諸表の提出を求められますので、注意してください。

 修正した書類の一式は、経営事項審査申請書とともに提出します。

3.工事経歴書の裏付け資料(大阪府の場合)

 工事経歴書が作成できたら、各業種別の工事経歴書記載の上位3件分の建設工事に係る裏付け資料(契約書、注文書、請求書など※3)の写しを添付します。なお、この裏付け資料が必要となるのは直近(審査事業年度)分の工事経歴書のみです。

 

 元請工事は小さな工事ばかりで、下請け工事が大きな工事ばかりの場合、工事経歴書は元請工事から記載していくので、小さな元請工事ばかりが上位を占める、ということも普通にあり得ます。(この場合、小さな元請工事3件分の裏付け資料を添付)

 また、下請け工事ばかりで4件の実績しかなく、1件記載したら全体の7割を超えてしまうような場合は、工事経歴書の工事の記載は1件のみで足りることになります。(この場合、記載された1件の裏付け資料を添付)

※3.具体的な工事の内容及び工事の期間がわかる書類の写しが必要です。公共工事の場合で発注者の記名押印のない書類を提出する場合は、追加資料が求められるので注意(大阪府の手引きP53参照願います。)

4.過去に提出した決算変更届の訂正(大阪府の場合)

 すでに届出済みの決算変更届は、行政庁に受付されたものであっても正しく記載されているとは限りません。決算変更届はあくまでも届出であるため、行政庁から記載内容について細かいところまで指摘されることはありません。例えば、経審なしの場合では、工事経歴書の記載にかかわる裏付け資料が求められることはありませんし、建設業財務諸表についても帳票間の金額の整合性チェックはされますが、例えば勘定科目の使い方が間違っている場合でも受付けてもらえる場合がほとんどです。従って、はじめて経審を受ける場合には、過去に提出した書類が適正かどうかをしっかりと確認する必要があります。

 過去に提出した決算変更届の記載内容に誤りがあることが判明した場合には、経営事項審査申請を受ける前に「建設業に係る訂正の届出書」という様式により過去の書類の訂正をすることができます(大阪府の場合)。

 例えば、「過去に提出した工事経歴書の元請け・下請け区分が不正確であった」とか「過去に提出した建設業財務諸表の勘定科目の仕訳に問題があった」ことが判明したような場合です。工事経歴書の元請け工事の記載金額は、経営規模等評価Z(元請け完成工事高)の評点に影響します。また、建設業財務諸表の勘定科目に問題がある場合は、経営状況分析機関や審査機関(行政庁)から補正を求められたり、正しい評点の結果通知書を受けられない、といった事につながります。そのため、事前に間違いが判明した場合は、この様式により訂正をかけておくべきと考えられます。なお、一度でも経営事項審査に使った書類の訂正については認められませんので注意してください。

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