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コラム

2026.09.29

建設業

許可

一式工事でよくある誤解と落とし穴

投稿日 2026年9月29日 最終更新日 2026年10月8日

 

 建設業の許可の種類の中でも、土木一式と建築一式の2つの一式工事は、特に誤解が多いように感じます。

「一式の許可があれば専門工事もできるのでは?」「下請でも一式を使えるのでは?」といった質問は、弊所への相談でも頻繁に寄せられます。また、一式工事で工事経歴書の記載方法を誤ると、一括下請負を疑われるリスクもあります。
 一式工事は「総合的なマネジメント」を前提とした許可であり、その他の専門工事とは少し異なる建付けになっています。

 本記事では、一式工事で起こりがちな誤解と落とし穴を実務の視点から整理し、どこまでが一式で、どこからが専門工事なのかを整理してみたいと思います。

1.一式工事とは~「総合的なマネージメント」を必要とする工事

 土木一式工事と建築一式工事は、他の27の専門工事とは異なり、総合的な企画、指導、調整のもとに工作物や建築物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む※1)です。

また、一式工事は、原則として元請けの立場で行われることが前提(※2)であり、注文主や下請人、監督官庁、近隣との調整、進行管理といった総合的なマネージメントを必要とする大規模もしくは複雑な工事とされています。

 具体的には、以下のいずれかに該当する工事を指します。

  • 2つ以上の専門工事の組み合わせ
    有機的に組み合わせて、社会通念上、独立した使用目的がある土木工作物や建築物を造る工事(※3)
  • 大規模・複雑な単一工事
    必ずしも2つ以上の専門工事が組み合わされていなくても、工事の規模や複雑性から見て「総合的な企画、指導、調整」が必要であり、個別の専門工事として施工することが困難な工事

※1.「補修・改造・解体を含む」とは、建築物・工作物を総合的に扱う工事の中で行う場合を指し、これらの工事を単独で請け負えるという意味ではありません。

※2.下請工事については、一括下請負禁止規定等との兼ね合いから、民間工事における合法的な一括下請負のケースを除いては、下請工事に関し、一式工事に該当する事例は、極めて少ないと考えられています。なお、一括下請は、公共工事及び一定の民間工事(多数の者が利用する一定の重要な施設等の工事)においては全面禁止、その他の民間工事においては、発注者による事前承諾がある場合を除き、禁止されています。

※3.2つ以上の専門工事の組合せであっても、専門工事間の主従関係が明らかで実質一つの工事として認められる場合は、一式工事ではなく、主となる専門工事の許可だけで、従となる専門工事を附帯工事として請け負うことができます。
(例)建物の外壁塗装工事をするために行う足場工事 
  主となる専門工事:塗装工事
  従となる専門工事:とび・土工・コンクリート工事

2.一式工事の施工方法

 一式工事の許可業者が一式工事として請け負う工事の中に専門工事が含まれている場合は、その専門工事の許可を持たなくても施工することができますが、次のいずれかの方法で施工しなければなりません。(専門工事が500万円未満(税込)の軽微な建設工事に該当する場合を除く。)

  • 専門工事についての主任技術者の資格を持っている者を専門技術者として配置して施工する(受注した一式工事の主任(監理)技術者がその資格を持っている場合は兼任可)
  • その専門工事について建設業の許可を受けている専門工事業者に下請負させる。

3.一式工事でよくある誤解

 一式工事に関して、よくある誤解を列挙してみます。

  • 一式工事の許可を受けていれば、専門工事だけを単独で施工することができる。
     一式工事の許可を受けていたとしても、各専門工事の許可を受けていない場合は、500万円以上(税込)の専門工事を単独で請け負うことはできません。
      例えば、建築一式工事(建築工事業)の許可を受けていても、単独で500万円以上(税込)の内装工事を請け負う場合は、内装仕上工事業の許可が必要となります。
  • 下請の立場でも一式工事の許可が使える
     下請けの立場となる場合は一式工事の許可は使えず、27の専門工事のいずれかの許可を取得していなければ工事を請け負うことはできません(発注者から事前承諾を受けた一部の民間工事を除く)※2。
  • 一式工事を元請として請け負う場合、一式工事に含まれる「専門工事」は許可が無くても自ら施工できる。
     許可が無くても自ら施工することはできますが、一式工事の主任(監理)技術者とは別に、その専門工事について主任技術者の資格を持つ専門技術者をおく必要があります。専門技術者をおくことができない場合は、専門工事業の許可業者に下請させる必要があります。
  • 一式工事の許可があれば、解体工事を請け負うことができる
     必ずしもそうではありません。一式工事の許可で解体工事を請け負うことができるのは、以下の②の場合のみとなります。
①それぞれの専門工事で(電気工事、機械器具設置工事など)建設される目的物について、それのみを解体する工事 ➡各専門工事
②総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物・建築物を解体する工事(原則元請)➡「土木一式工事」「建築一式工事」
 ※一式工事の事例~元請の立場で請け負った大規模な橋梁等の解体、ビルや学校等の大規模な建築物の解体など
③これ以外の小規模な家屋等の解体 ➡解体工事

建設業許可の取得をお考えの場合は、当事務所にご相談ください!

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