建設業
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Z(技術職員数および元請完成工事高)の評点アップ対策
投稿日 2021年12月19日 最終更新日 2022年9月23日
Zは、建設業者の技術力と元請としてのマネジメント能力を評価する指標です。
技術力については、在籍する技術職員で監理技術者や主任技術者としての資格を有する者を評価の対象としていますが、技術職員の人数だけでなく、技術職員の能力、資格、継続的学習への取り組み等きめの細かい評価が行われるよう設計されています。
マネジメント能力については、マネジメントした工事の積み重ねを量的に評価する観点から、工事種類別に元請完成工事高が評価されます。なお、選択する工事の種類と2年平均か3年平均かの選択は、自動的にⅩ1の選択と同一になります。
Zの評点は、技術力の評点と元請完成工事高の評点を次の数式に当てはめて算出します。
Z=(技術職員数評点)×0.8+(元請完成工事高評点)×0.2
なお、総合評定値(P点)における配点は25%です。
1.技術職員評点の算出方法
技術職員数の評価対象となる職員は、①審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があること②審査基準日現在、常勤性の要件を備えていることの双方を満たす必要があります。
技術職員数の評価は、技術職員の資格区分によって付与された点数を集計し、集計値を「技術職員数の点数(Z1テーブル)」に当てはめて算出します。1人で多数の資格を保有する技術職員であっても、加点カウントできる業種は2業種までとなっています。
【技術職員の資格区分によって付与される点数】
資格の種類 | 付与点数 |
1級技術者で監理技術者講習修了者 | 6 |
上記以外の1級技術者 | 5 |
1級技士補(監理技術者補佐) | 4 |
登録基幹技能者講習終了者、建設キャリアアップレベル4 | 3 |
2級技術者、建設キャリアアップレベル3 | 2 |
その他の技術者(10年以上の実務経験者等) | 1 |
ここで注意したいのは、それぞれの資格の名称に付されている「1級」や「1種」が、必ずしも、上記の表のにある付与点数とイコールではないということです。付与点数は、それぞれの資格の難易度や技術力の内容により付与されていますので、下記の「有資格区分コード表」に基づき正確に集計する必要があります。
- 有資格区分コード表
大阪府住宅まちづくり部建築振興課「経営事項審査申請の手引き」からの引用
- 技術職員数の点数(Z1テーブル)
大阪府住宅まちづくり部建築振興課「経営事項審査申請の手引き」からの引用
2.元請完成工事高評点の算出方法
元請完成工事高の評点は、自社の元請完成工事高を「工事種類別年間平均元請完成工事高の点数(Z2テーブル)」に当てはめて算出します。
- 工事種類別年間平均元請完成工事高の点数(Z2テーブル)
大阪府住宅まちづくり部建築振興課「経営事項審査申請の手引き」からの引用
3.Zの評点アップ対策
Zの評点アップ対策は、技術職員数と元請完成工事高を増やすことです。
ターゲット(取りに行く公共工事=発注者、業種、規模など)を明確にし、最短ルートの実行計画(技術職員の育成・採用計画など)を策定して、取組みを着実に進めて行くようにしたいものです。
CCUS(建設キャリアアップシステム)のレベル3・4の技能者も加点対象になってます。CCUSに登録された技能者のレベルアップのための支援も必要です。
- 技術職員の数を増やす(育成・採用)。
- 有資格者の上位資格取得を推進する。
- 1級資格保有者の監理技術者講習受講、2級資格保有者の基幹技能者講習の受講
- CCUSの技能者登録の申請支援
- 元請工事の受注推進